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探偵の知識

バイクを駆る元モデルの主婦探偵

2025年11月19日

図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美

ガルエージェンシーには、対象者の尾行を専門におこなうバイクチームがある。そして、その中に一人だけSさんという女性がいる。しかし、ヘルメットを脱ぐまではSさんが女性であるということに気づく人はほとんどいない。それは、彼女が183cmもの長身だから。
Sさんの元の職業はモデル。それがなぜ探偵、しかもバイク隊などというハードな仕事に首を突っ込んでしまったのかというと・・・・・・。
実はこのSさん、モデルをやっていたとはいうものの、来たのはもっぱら手や足だけを撮影されるパーツモデルの仕事だけ。 "このままモデルをやっていても大成はできない。これからどうしようかしら”と思っていた矢先に、お見合いの話が持ち上がった。
早速会ってみると、先方は身長175cm、容姿、性格ともに可もなく不可もなくという男性だったため、Sさんは結婚を快諾。結納、結婚式と、とんとん拍子に進んでいったのだった。しかし、結婚式が終わり、彼の家に着いたSさんは言じられない光景を見た。なんと、身長175cmだったはずの彼の身長が、わずか160cmほどしかなかったのだ!! そう、彼は特注のシークレットブーツを履いていたのだ。
ダマされたと悟ったSさんは、そのまま家を飛び出し、行方不明に…・・・・・・。
彼は、わが社にSさんの捜索を依頼した。我々にとって、身長183cmという大柄の女性を探すことは造作もなかった。数日後、彼女が友人のアパートに潜伏しているということを突き止めて、彼に報告をした。
絶対にわからないだろうと思って隠れていたSさんは、わずか数日で発見されてしまったことに大いに驚くとともに感動したという。そして、そんなスゴいことをやってのける探偵と言う職業に憧れを感じて、ガルエージェンシーのドアを叩いたのだ。
しかし、いかに最近女性の身長が高くなっているとはいっても、183cmは高すぎる。尾行をしていても潜入していても目立ってしまうのだ。そこで、私たちは彼女にバイクチームに入ることをすすめ、現在に至っていると言うわけである。